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2021-01-18 10:33:00
大学入学共通テスト 英語リーディング レビュー
土日に実施された『大学入学共通テスト』の英語リーディングを全部解いてみた感想を、ホットにお伝えします!
①これまで大学入試英語を指導してきた立場からすると、本文では日常の中で使われる易しい単語ばかりが使われており、教科書レベルを超えるものは皆無です。大学入試に向けて必要な勉強をある程度してきた高校3年生であれば、本文の内容や流れから“guess the meaning of …”しなければならなくなる場面に出くわすことは殆どないものと思われます。また、いわゆる“大学入試必須”とされる「構文」なども殆ど見られず、英語が得意なら中学3年生でも読める可能性があります。
②図表などを用いた[読解→判断系]の問題は、多くの受験生が「めんどくさいなあ~」と感じるものですが、その難易度は決して高いものではありません。既に私立高校入試では「定番」になっている出題形式であり、北海道の公立高校入試では「大問3-A/B」に相当するものです。ただし、登場人物がプレゼンで用いるパワーポイントのスライド内容を決定させる問題や、「Solution」(ソリューション)とだけ題された整理メモ(段落)があるなど、“財界”から政治へのプレッシャーが影響しているのかも…と思わせる“新しさ”はあります。ネット上では「TOEICに似ている」という感想が散見されますが、確かにそのような印象は受けます。
③この新しい出題形式が「良問」か「悪問」かはさておき、全体的に“英語力が試されている”感じがしないように思います。ただ“文章が英語で書かれている”というだけで、各設問は本文の内容を確認するレベルであり、英語力そのものよりも「速読力」や「情報処理能力」、そして極めて短期的な「記憶力」が試されているような印象です。とにかく問題のボリュームが大きすぎて、制限時間内に全問を解いて、余った時間で見直しをするのは難しいかもしれません。本文を一回読んだだけで、その内容を正確に理解かつ記憶し、各設問に一発で正解する…まさに大阪の串揚げ、「タレの二度漬け禁止」やで!「設問から本文に戻り確認する時間は無いのだ」と、来年の受験生諸君は覚悟しておかなければなりません。
④イギリス英語の登場が少しだけ話題になっていますが、これは国立二次か私大入試の対策をしていれば、過去問演習などで必然的に出くわす程度のものです。「center」が「centre」と表記されるなど、あまりにも有名ですよね。知らないと動揺するかもしれませんが、それが解答に影響することはありませんので、それほど心配は要らないのではないかと思います。
初回となった2021年の大学入学共通テスト。今後、文科省や大学入試センターでは、今回の試験の結果の分析が進められると共に、来年以降の出題形式が再検討される可能性があります。
しかし、仮に来年以降もこのままの形式で出題されるのであれば、特別な勉強方法の見直しは必要ないのではないかと思います。国公立大学を目指す人は、これまで通り、あくまでも二次試験に合わせたレベルの勉強をする。これに尽きます。勉強する単語・熟語・構文のレベルを落とさなければ、大学入学共通テストの英文は日常的会話的なレベルなので、きっとスラスラ読めるはずです。高校入学時から一貫して、日々の英語の勉強をしっかりと続けてさえいれば、大学入学共通テストを極端に恐れる必要はありません。
ただし、大学入学共通テストを確実に制覇するためには、易しい英語長文をたくさん読んで“場数”を踏む“訓練”だけは、決して怠ってはなりません。繰り返しになりますが、余程の速読力が身に着いていない限り、設問から本文に戻り丁寧に確認する時間は一切ありません。本文を一回だけ読み、一発で解答→正解しなければならないのです。
結論から言えば、大量の英文を、長時間にわたり、正確に読み取るための『集中力』こそが、この試験に打ち勝つための最大の武器になります。
そうか、そう来たか…では、東苗穂札幌快晴塾の闘い方も、自ずと決まってくるな。うむ!